梅小路公園で往年の京都市電に思いをはせてみた
京都の市電
日本発の市街路面電車
京都市内には1895年(明治28年)2月1日から1978年(昭和53年)まで路
面電車が縦横に走っていました。
1895年(明治28年)に民間の京都電気鉄道会社が七条停車場(京都駅)と伏見町
間の鉄道の営業を開始し、これが日本発の路面電車となりました。
1912年(明治45年)に京都市営電車が開業され、京都電気鉄道会社との激しい乗
客の争奪戦が繰り広げられたそうです。
1918年(大正7年)7月に京都市営電車が京都電気鉄道を買収し、競合路線が統一
されることとなりました。
(出典 京都府立京都学・歴彩館 昭和10年~15年四条大橋)
大正から昭和中期までは、京都市営電車は黄金期を向かえ、1963年(昭和38年)
には年間の乗降客は2億2千万人となりました。
ちなみに阪神電気鉄道の年間乗降客(通過客を含む)が約4億人(2017年11月の
1日の平均乗降客が約110万人)であったことから、凄い数字です。
しかしながら競合するバスや自動車が増加し、京都市営電車の業績は悪化していきまし
た。
京都市電廃止
1970年(昭和45年)3月31日に日本最初の路面電車の区間である伏見線(塩小
路高倉~中書島 間)が廃止されることとなりました。
これを皮切りに、次々と路線は廃止され、1978年(昭和53年)9月30日に外郭
線全てが廃止され京都の路面電車はすべて廃止となりました。
(出典 朝日新聞 京都よむ・みる・あるく より1974年(昭和44年)3月31日)
梅小路公園
京都市電「市電広場」
京都市電の保存場所として梅小路公園内に「市電広場」が設けられています。
京都水族館西側に市電カフェや休憩所として京都市電が使われています。
生ビールやソフトクリームなどが売られており、軽く食事もできるようです。
市電広場には、全部で4両が保管されていて、中には無料休憩所の車両もありました。
シートがめくられている個所もあり、老朽化は否めません。
運転台もそのまま残されています。
市電広場の床のタイルには、全盛期の路線図が刻まれていました。
市電の復元と動態保存
老朽化に伴う車両の修繕が終わり、平成31年3月30日から梅小路公園内で動態保存
の運転が再開されています。
運転は土曜日と日曜日、夏休みだそうで、1回150円です。
写真を撮ろうと思ったのですが、生憎出会うことがありませんでした。
こんなのが走っているようです。
大正7年に京都電気鉄道を買収した時に譲り受けた車両だそうです。
春の暖かい日で、公園は賑わっていました。
ぽかぽか陽気に公園に繰り出してみるのも楽しいです。
往年の京都市電にちょっとだけ、思いを馳せてみました。