大正昭和のモダニズム レトロな大阪の建物巡り~1
大阪市内のレトロな建物を巡る散策
以前の記事から
以前、大正昭和のモダニズム 大大阪時代の香りを探して中之島船場散策という記事を書きました。大阪市内にはまだまだ大正から昭和初期の建物が沢山残っています。
itmbase.hatenablog.jp
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そこで今回はその続編ということで、探索の場所をもう少し広げてみました。
大阪福島のレトロな建物から
メリヤス会館
メリヤス会館は、1925(大正15)年に設立した大阪輸出莫大小(メリヤス)工業組合が1929(昭和4)年に建てた組合のビルでした。
当初は地上3階、地下1階建てでしたが、昭和12年に改築して4階建てになっています。堂島川沿いの堂島大橋のたもとに建っています。
機械編みによる薄地の編物全般、肌着・靴下などの伸縮性を求める衣類全般、または伸縮する生地を広く「メリヤス」と呼んでいました。戦後メリヤス業者の多くが戦災に合い、組合の存続が困難になりました。現在の所有者は株式会社メリヤス会館となっています。
現在はテナントビルとしてカフェやレストラン、アトリエアート、ギャラリーなどとして利用されています。
ミナミ株式会社(旧川崎貯蓄銀行福島出張所)
国道2号線沿いにある旧川崎貯蓄銀行福島出張所の建物は、1934(昭和9)年に建築されました。川崎銀行系の建物を多く設計した矢部又吉の設計で、施工は竹中工務店でした。
地上2階地下1階建ての鉄筋コンクリート製です。小振りですが、いかにも銀行の建物といった荘厳さがありバロック様式が取り入れられています。国の登録有形文化財に指定されています。
現在は、カットソー((生地・製品)を主とした多様な生地の企画・製造販売を行うミナミ株式会社の本社として利用されています。
西区江戸堀のレトロな建物
日本基督教団大阪教会
日本基督教団大阪教会は、大阪府大阪市西区に本拠を置くプロテスタント教会です。アメリカン・ボードのアメリカ人宣教師ゴルドンが中心となって1874(明治7)年、ゴードンの受洗者5人と日本基督公会からの転入者2名により設立されました。そして、教会堂は、ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計により1922(大正11)年に竣工したロマネスク様式です。フランドル積み煉瓦外壁に正面妻壁のバラ窓が特徴的です。また、礼拝堂の背後に尖塔が聳えています。
日曜日は聖日礼拝が行われ、本来は誰でも参加することが出来るのですが、某隣国でのキリスト教会のコロナウイルスの蔓延ではないですが、今の期間は礼拝はお休みです。
1995(平成8)年の阪神・淡路大震災で半壊してしまいましたが、半年間の復元・耐震補強工事により復興しました。国の登録有形文化財に登録されています。
江戸堀コダマビル
1935(昭和10)年に建築された都市型住宅で、元々は綿布商として成功した児玉竹次郎氏の個人住宅でした。鉄筋コンクリート造地上3階地下1階建で塔屋付です。登録有形文化財に指定されています。
間口7.9mの南北に長い敷地に北面道路から退いて建つ、スペイン瓦を使用した外観はスパニッシュスタイルです。
現在は各種教室やミーティング会場として利用されているようです。
次回も大阪からレトロな建物を紹介します。