街頭テレビの話
戦後の日本の娯楽
テレビ受信機は初任給の54倍
江戸東京博物館のシリーズでブログ記事を書いたときに
紹介できていなかったのが街頭テレビのお話です。
下の写真は江戸東京博物館に飾られていた街頭テレビです。
1953年2月1日にNHK東京でテレビ放送が開始され
同年8月28日には日本テレビが本放送を開始しました。
テレビが本放送を開始する1年前に発売された
松下電器製の白黒テレビに値段は29万円。
高卒国家公務員の初任給が5,400円の時代、
テレビの値段は、初任給の54倍でした。
テレビが高価すぎる値段であったため、
日本テレビが本放送を始めた時点で
NHKの契約数は約3,000件程度であったそうです。
スポンサーの広告収入で利益を出さなくてはいけません。
日本テレビは視聴者を増やすために
キャラバンカーでの移動宣伝の他
主要な駅、公園等人が集まる場所に受像機を設置し、
テレビの魅力を訴えていきました。
これが街頭テレビです。
パナソニックテレビと家電の歴史よりから
プロレスが大人気
街頭テレビはスポーツ中継が中心で
中でも1954年に始まったプロレス中継が
熱狂的な人気を集め
テレビ人気は不動なものになりました。
1956(昭和31)年までに日本テレビが設置した
街頭テレビの設置した場所は、
東京都内で97カ所になりました。
主に駅前や公園でしたが、
中には東武練馬商店街といった商店街に置かれる
ケースも有ったようです。
民放初の街頭テレビを京阪神の主要駅前に設置しました。
街頭テレビの成功から、民間放送局を開局し
民放ごとに街頭テレビが設置されていきました。
下は1958年の松下電器の14型白黒テレビです。
値段は73,000円でした。
(パナソニック テレビと家電の歴史より)
パナソニックテレビと家電の歴史よりから
この頃から家庭にテレビが普及していくようになり、
街頭テレビの時代は終わっていきました。