大正昭和のモダニズム 大大阪時代の香りを探して船場中之島散策~2
船場 御堂筋西側を散策する
はじめに
前回は中之島を散策した記事を書きました。
すべて公共的な建物です。
ここは通称」「住友村」と言われ、住友関連各社の本社、本店が集積していた所です。
旧住友ビルヂング
この地区で圧倒的な存在感を示すのが旧住友住友ビルヂングです。
現在は三井住友銀行大阪本館として利用されています。
住友銀行(現三井住友銀行)の他、住友各社が入居する住友ビルヂングとして昭和5年に建てられました。
イオニア式と呼ばれる神殿風の石柱を配した豪華な玄関が大銀行の本店ビルの象徴となっています。
当初は7階建てのビルを建築する予定でしたが、工事途中に起きた関東大震災の影響で5階建てに変更され、その後6階を増築したとのことです。
1階の大阪本店営業部に入ると、高い天井とシャンデリアが目に入ってきて豪華です。
下の写真は中之島側から撮影した写真です。
正面玄関は、こちらから見える土佐堀通りに面した入口なのかもしれませんが、いつもこの玄関はクローズされています
普段の出入り口は一方通行の幅4メートル道路に面した東玄関と西玄関なのが不思議です。
大阪倶楽部
大阪倶楽部は1912年(大正元年)に設立された会員制社交クラブです。
特定の業種や業種に拘ることなく有識者が集い、「知の交流と心のふれあいの場」として大阪で設立された伝統と歴史のある会員制社交クラブ(HPより)と説明されています。今でも現役です。
今の事務所は大正13年建築でRC造り4階建てです。
この建物の前にはいつも黒塗りの車が列を作って並んでいます。
偉い方たちの社交場となっているのでしょう。
旧大阪市中央消防署今橋出張所
1925年(大正14年)から1996年まで消防署として使われていました。
大阪倶楽部のはす向かいにあり、当時の雰囲気を漂わせています。
20年ちょっと前までは現役で使われていたのですね。
2016年からは美味しいイタリアンで有名な、アンテカ オステリア ダル ポンピエーレのお店として使われています。
天井の高い1階のアーチは消防車の車庫だったとのこと!!
当時の面影が忍ばれます。
大阪ガスビル
昭和8年に建築された8階建てのビルで、施工は大林組です。
上の地図には入りきらなかったのですが、御堂筋をもう少し南に下るとこのビルに出会えます。
関西を代表する大阪ガスの本社です。
昭和8年と言えば、地下鉄御堂筋線の梅田~心斎橋が開通した年です。
町中が華やいだ年だったことが想像できます。
淀屋橋も紹介します
重要文化財
船場から中之島に架かる橋淀屋橋とその先の大江橋は御堂筋拡張の昭和10年に架けられました。
国の重要文化財に指定されています。
建物ではないのですが、歴史を味わえる建造物です。
日銀大阪支店(中之島側)からみるとこんな感じ。
船場側からはこう見えます。
奥に見える建物は大阪市役所です。
欄干の該当が歴史を感じます。
大阪の大正昭和のモダニズムを少しでも感じていただけると嬉しいです。
次回は御堂筋の東側を散策してみます。
大正昭和のモダニズム 大大阪時代の香りを探して船場中之島散策~1
大大阪時代
大阪に活気が戻ってきましたが
私が大阪に引越してきたときは10数年前。
まだ大阪の町の雰囲気ははどんより停滞していました。
大阪府と大阪市はいがみ合い、大阪府市あわせと言われていました。
改革が進んだのはやはり、橋下大阪府長、大阪市長になってから。
赤字も減り、大阪に活気が戻ってきたのではないでしょうか。
今では、再開発で高層ビルが建ち、タワーマンションも林立しています。
うめきたの2期工事も始まりました。
万博やIRもやってきます。今後の大坂の発展に目が離せません。
大阪には古き良き時代があった
1925年(大正14年)、大阪市は隣接する町村を合併しました。
関東大震災で人々が神奈川や埼玉に移っていった東京市に代わって人口は日本一に。
200万人を超える人口となり、世界第5位を争う程の大都市、所謂「大大阪」となりました。
また、急発展する中で郊外の住宅地が急増する人口の受け皿となり、電鉄会社が大阪を取り囲んで宅地沿線開発を行い、大阪独自の私鉄文化が生まれました。
当時の関大阪市長の「都市大改造計画」の目玉であった御堂筋の拡張計画は当時の常識から考えればありえないほどの大事業だったようです。
道幅6メートル、長さ1.3キロメートルの狭く短い御堂筋を、幅44メートル、長さ4キロメートルの道を作るというものでした。
市民は「船場の町中に飛行場でも作るのか」と肝をつぶしたそうです。
しかも100年先を見据えたという関市長の構想はそれだけに留まらず、道路の地下に地下鉄を作るというものでした。
着工より11年という長い年月をかけ昭和12年5月11日に御堂筋は開通しました。
地下鉄は道路に先駆けて、梅田~心斎橋は昭和8年に開通しました。
その後、昭和10年には難波、昭和12年には天王寺まで延伸されました。
シンボルとなるイチョウ並木は完成時に植えられたもので、淀屋橋南詰から難波までに約800本あります。
(淀屋橋周辺の御堂筋)
高層のオフィスビルも建設され、従来の呉服店は百貨店に改築、世界的な流行もいち早く採用し、ターミナルデパートも誕生しました。
大正昭和のモダニズム建築
船場中之島にて
こうした大大阪時代の建物は、太平洋戦争の空襲や、再開発でほとんどの建物が無くなっていますが、船場や中之島を中心に、大阪市内にいくつかが現存し、今でも利用されています。
大正昭和のモダニズム建築を中心にいくつかの古い建物を散策してきましたので、ここで紹介させて頂きます。
中之島から
大阪市中央公会堂
大正7年建築です。
ネオルネッサンス式の豊かな意匠やバロックの要素が取り入れられました。
平成11年から約4年をかけ保存再生工事が行われました。
国指定の重要文化財となっています。
大阪府立中之島図書館
明治37年に野口孫市氏が設計し、住友家の寄付によって建築されました。
これも国の重要文化財です。
今でも現役の図書館として営業しています。
大阪府内に在住、通学、勤務している人と、近畿圏に在住している人は本を借りることが出来ます。
カフェ スモーブロー キッチン ナカノシマで北欧郷土料理スモーブローを楽しむこともできます。
北欧サンドウィッチだそうです。
日本銀行大阪支店
明治36年に明治の大御所辰野金吾氏の設計による建築です。
ネオ・ルネッサンス式。
当時のヨーロッパで人気だった建築様式だそうです。
大阪市中央公会堂、府立中之島図書館、日本銀行大阪支店の位置関係は以下の通り。
次回は船場を散策します。
令和元年の梅雨の状況は
大阪の梅雨入りは
今年も半分が終わりました!
7月に入りました。
何と今年も半分が終わってしまいました。
何が出来て、何が出来なかったか考えてみると・・・。
出来たことは、このブログがが続いていることとJGCプレミア修行を達成したことぐらいで、出来ていないことの方が多いですよね。
このペースで行くと、あっという間に今年も終わってしまいそうで怖いです。
さて、大阪は6月26日頃に梅雨入りとのこと。
史上一番遅い梅雨入りだそうです。
平年より19日遅く、昨年より21日遅かったそうです。
関東から東海地方はほぼ平年並みの梅雨入りの時期に対し、北陸や東北地方は5日ほど
早め。近畿、中国、四国、九州北部の梅雨入りの遅さは異常です。
尚、沖縄は6月29日に梅雨明けが発表されました。
雨はどうなるの
気象庁が27日に発表した予報によると向こう1ヶ月間の降水量は、東日本、西日本の日本海側で多い、北日本、西日本の太平洋側で平年並みか多い、とのことでした。
梅雨明けは極端に早いことは無いようですが、九州北部から近畿にかけては、梅雨の期間が記録的に短くなる可能性があります。
梅雨の期間が短いのに降雨量が平年並みか多いということは、極端な大雨の日があるかもしれません。梅雨明け間近の集中豪雨には注意が必要です。
歳時記では
梅雨の季語
梅雨の時期は湿度が高く、ジメジメして過ごしにくいですね。
一方、菖蒲や紫陽花が青や、紫、ピンクの綺麗な花が咲きます。
雨に濡れた紫陽花は風情があって良いですよね。
梅雨とは、梅の実が熟するときに降る雨という意味です。
梅雨は夏の季語です。
入梅(ニュウバイ)、梅雨寒(ツユザム)、梅雨明(ツユアケ)。
梅雨に入る入梅、梅雨の途中の梅雨寒、梅雨が明ける梅雨明。
なんとなく梅雨に入ると塞ぎがちになります。
黴(カビ)に雨と書いて黴雨(ツユ)とも読みます。
カビが生えやすい時期という意味でこれもこの時期の季語。
天気で言うと、梅雨空(ツユゾラ)、空梅雨(カラツユ)、梅雨曇(ツユグモリ)、虹(ニジ)なんていうものもあります。
動物では雨蛙(アマガエル)や蝸牛(カタツムリ)、植物で言うと紫陽花(アジサイ)が梅雨の季語になります。
四季の国日本
最近は、春や秋が短かったり、台風や梅雨明けの頃の集中豪雨など、異常気象ではないかという事象も見受けられます。
でもはっきりした四季がある日本。
四季のある日本で四季を楽しむ生活ができる幸せ。
梅雨に入ったのでちょっとこんなことを考えてみました。
ILOの総会でハラスメント禁止条約が採択されました
初めての国際ルールが成立
今勤めている会社では
私は、今の勤務先で、人事労務を担当しています。
年に数回は、パワハラやセクハラの事案に遭遇し、頭を悩ませなくてはなりません。
起こした当事者は、「指導のため」とか「場を和ませるため」と悪気のない様子。
なぜ「訴えられたか」理解できない人が未だにいます。
一方、被害者は本当に苦しんでいる人がいる一方、「あの人嫌いだから」と思われる言動もちらほら見受けられたりします。
「訴えられた方が負け」であることは事実ですが。
「セクハラ」や「パワハラ」が就業規則で懲戒事由になっている会社がほとんどです。但し、法律で「セクハラ」や「パワハラ」は、罰則規定は定められていません。
某A生副総理兼財務大臣が「セクハラ罪」なんて無いでしょう、といった言葉が思い出されます。
ハラスメント禁止条約が制定
ILO(国際労働機関)の年次総会最終日6月21日に、職場での暴力とハラスメントを禁じる国際条約の制定が採択されました。
ILOの参加国は187ヶ国あり、採決では加盟国の政府が2票、労働組合と経営者団体に1票づつ票が割り当てられ、結果、条約は賛成439票、反対7票、棄権30票で圧倒的多数で採択されたそうです。
日本から参加した日本政府と連合は賛成に回った一方、経団連は棄権しました。
暴力やハラスメントの定義は「身体的、精神的、性的、経済的損害を引き起こす許容できない行為や慣行、その脅威」とされています。
政府や職場での暴力やハラスメントを法律で禁じることを義務付け、必要に応じて「制裁を設ける」とする厳しい内容になっています。
対象になるのは、正規の従業員の他、インターンやボランティア、それに仕事を探している人も含まれ、職場だけでなく、出張中や通勤中、SNSなどでのコミュニケーションでも適用されるとしています。
批准には大きな壁も
国内法の制定が必要
国際条約は採択されましたが、その条約を批准するためには国内法を整備していくことが求められています。
行為そのものの禁止や罰則規定を織り込んだ法の整備が必要とも言われています。
一方で日本政府は「条約の採択に賛成するかどうかとは次元の違う話で、批准には国内法と条約の求めるものの整合性についてさらに検討していかなければならない」と慎重に議論を進めていく考えを示したそうです。(NHKより)
経団連が棄権した理由
経団連が棄権した理由は、一言でいうと職場で厳しく指導したことがパワハラで訴えられるとなると誰も指導が出来なくなり、経営が成り立たなくなるということようです。
労働団体は概ね賛成の立場を示していますが、経営者団体からは、同様な懐疑的な意見も出ているみたいです。
また、今回のILOの総会では法整備の進んだヨーロッパと、遅れているアメリカやアジアとの考え方の違いも浮き彫りになったと言われています。
人事マンとしては
今の時代、大声を張り上げて怒鳴りつけたりすることはあり得ません。
淡々と説明しても指導は出来ます。
(昔は灰皿を投げつけられたり、そろばんで机を叩かれたりとかざらでしたが・・・。お酒の席で上司の横に女性社員を座らせて、お酌をさせるなんて言うのもありましたし・・・。)
私は、明確に基準を設けて、罰則規定を法律で整備した方がわかり易いと思います。
当事者にもこの行為はこの法律のここに該当しているからパワハラである、と言った方がわかり易いですよね。
国際社会でハラスメント禁止条約が採択されたことは時代の流れとして良いことだと思いますし、政府も批准に向けて積極的に進んでほしいと思います。
Tシャツ・ジーパン勤務OK 三井住友銀行
本題に行く前にらぁ麺すぎ本
西武新宿線沿線でレベルが高い醤油スープ
東京出張がてら、実家に比較的近い西武新宿線鷺ノ宮駅の駅前にあるらぁ麺すぎ本さんに伺うことを決めていました。
前の日から楽しみにしていました。
どんなラーメンなんだろう。
当日は、伊丹空港のラウンジで食べ過ぎないように注意しないと。
食べログではラーメンにもかかわらず何と3.96点。
当日お店に着いたのは午後2時半近くです。
ところが何と!!
遠目には人が並んでいる気配はありません。
お店は昼の営業は3時まで。
これならありつけそうです。
ん???・・・。
・・・。
・・・。
・・・。
まさかの休業。
こんな店構え。
通常はこんな感じのようです。
らぁ麺すぎ本さんのリツイート画像。
こんな感じのラーメンのようです。
食べたかった。
仕方がないので・・・。
お腹が空いていたもので・・・。
天ぷら蕎麦380円也(だったと思います)。
さて気を取り直して本題です。
三井住友銀行は社員のドレスコードを無くす取組
8月末まで試行だそう
久々にびっくりしました。
6月26日の朝刊にこんな記事が出ていました。
三井住友銀行は7月から社員のドレスコードを無くす試みを試みを始める。営業をしない本社の部署で働く約3,500人が対象でTシャツやジーパンでも勤務できるようにする。(以下省略)
お堅いと言われて保守的だった金融機関が急にこんなことをしでかすなんて。
企業風土を変える取り組みを行い、9月以降にアンケートや聞き取りを行い、全社的な取り組みとして行うかを決めるそうです。
でも会社にTシャツやジーパンで会社に行くことは個人のセンスがより一層問われることになりますし、おじさん達がゴルフウェアで勢ぞろいすることは目に見えています。
女性も毎日の私服での仕事は大変そうですね。
オンとオフの切り替えも大変そう。
わたしはこの取り組みは懐疑的ですが、さてどうなることやら。
今後を見守りたいと思います。
三菱UFJ銀行は
三井住友銀行に対抗する三菱UFJ銀行は5月から通年でノーネクタイを認めたそうです。
夏のクールビズは社会に認められ定着化しました。
これが通年化することはあり得るかもしれません。
最初は、スーツにノーネクタイは間が抜けた印象でしたが大分見慣れてきたからかもしれません。
ネクタイ業者にとっては死活問題となるのでしょうが。
今後のオフィスの服装に注目です。
大阪にG20がやってくる
明日から大幅な交通規制
伊丹空港にて
大阪で6月28日と29日にG20の首脳会合が開催されます。
それに伴い27日から阪神高速をはじめとする道路や空港、ホテル周辺で規制が強化されます。
新聞のチラシの中にもG20のお知らせが入っていました。
電車の利用
マイカー利用の自粛
業務用車両の運行調整
不要不急の外出を控える
不要不急の外出を控えるって言われても・・・。
今、東京に出張するために伊丹空港にいます。
私はラウンジでビール片手にこの記事を書いています。
ただ、伊丹空港に入る道路で検問が行われていましたし、空港内も警察官が不審物がないかを警備をしており、物々しい雰囲気です。
明日から要人が大阪に到着しますので、もっと警備が強化されることが予想されます。
日本中の警察官が大阪に集まっているようで、大阪の町には福島県警、鹿児島県警、島根県警といった普段は目にすることのない警察の名前を胸につけている警察官を沢山目にします。
お勤めご苦労様です。
G20って何?
ところでG20って何なのでしょうか。
日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダのG7のほか、EU、ロシア、中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ、オーストラリア、韓国、インドネシア、サウジアラビア、トルコ、アルゼンチンが参加して、国際的に重要な金融経済問題を協議する国際会議です。
そもそもは1999年12月にドイツで開催された財務大臣、中央銀行総裁会議だったそうです。
2008年のリーマンショック時に開催された緊急会合が格上げされ首脳級が集まる会合になりました。日本での開催は今回が初めてだそうです。
誰が来るの?
誰が来るかは正式には発表されていないようですが、アメリカ トランプ大統領と中国習近平国家主席の会談がセッティングされているように各国から首脳がやってきます。
プーチン大統領やマクロン大統領、文在寅大統領、メルケル首相といったメンバーも来日するのでしょう。
ホテルはどこに泊まるのか
交通規制エリア
各国首脳がどこのホテルを利用するかは発表されていません。
ただ、東京と違い、首脳級が泊まるであろうホテルは限られています。
発表されている規制区域を見ればどこのホテルが利用されるかは大体わかります。
梅田エリアはウエスティン大阪、インターコンチネンタルホテル大阪、ヒルトンホテル大阪でしょうか。
大阪城はホテルニューオータニ大阪でしょう。
本町はセントレジスホテルですか。
難波がスイスホテル南海大阪
阿倍野(天王寺)があべのハルカスにある大阪マリオット都ホテル
南港のG20会場の近くのハイアットリージェンシー大阪ですね。
無事に開催を
日常生活には支障をきたすG20ではありますが、日本初開催。
各国から要人が沢山訪れます。
何はともあれ、無事に開催が出来て、無事に終了することを期待したいものです。
ANA vs JAL 比べてみました 国内線と国際線の売り上げは
国内線機内サービスが変わります
パーソナルモニターとPC電源
本題に入る前に、JALが新しく導入する国内線用機材エアバス社A350-900の機内の内装が発表されました。
パーソナルモニターとPC電源、USBポートが標準装備されるようです。
(JAL A350-900普通席の機内の様子 JAL HPより)
ANAも5月29日のプレスリリースで2019年秋より国内線主力機のプレミアムクラス・普通席の全席にパーソナルモニター付の新シートを導入することを発表しています。
また、PC電源やUSBポートも装着されます。
2017年度よりパーソナルモニターを導入しているエアバスA320neo型機と併せて2022年度上期までに41機が国内線モニター付となるようです。
ちょっと前まで、Wifiが無料になったと大騒ぎをしていましたが、隔世の感が有ります。
LCCとの競合のせいなのでしょうか。
ただ、海外の航空会社の有り方とは逆な動きのような気がしなくも無いですが。
(ANAの普通席新シート ANA HPより)
ANAとJALの売上のセグメント比較
国内線比較
さて、今日の本題です。
ANAとJALのセグメントを比較してみます。
国内線についてはANAが6,966億円の売上に対してJALは5,281億円。
旅客数についてはANAが44百万人に対してJALは35百万人です。
座席キロ、旅客キロとは何でしょうか。
例えば、100人を100㎞と50人を150㎞飛行機で運んだとします。
この飛行機の旅客キロは100人×100㎞+50人×150㎞=17,500人キロとなります。この時の旅客数は150人です。
座席キロは提供座席数×飛行距離です。
従って、座席キロに対してどれだけの旅客キロがあったかで利用率がはじけます。
ANAの利用率が69.6%に対してJALが72.5%です。
JALの方が効率が良いことがわかります。
国際線比較
国際線の売上がANAは6,515億円でJALは5,307億円です。
売上の国際線と国内線の比較ではANAもJALもほぼ同額です。
運んだ旅客数は、国際線は国内線の4分の1程度ですが、旅客キロは圧倒的に国際線のほうが上です。
不採算路線を大幅に削減したJALの利用率は81.3%と高い利用率を誇ります。
貨物とLCC
貨物については ANAは専用機を持っているだけ有って、JALの2倍程度の規模となっています。
それでも売上高は旅客収入と比べて1桁小さい規模であることがわかります。
LCCについては100%子会社化したピーチが売上936億円です。
さすがにLCC、利用率は86.2%です。
今後は
冒頭の国内線機材のパーソナルモニターの設置とPC電源の設置はLCCとの差別化ですが、サービスを上げても国内線の旅客が右肩上がりに増えていくことはなさそうです。
インバウンドの外国人が日本国内の移動手段で飛行機を利用する割合は3%程度。
殆どの移動は、鉄道か観光バスだそうです。
ですから国内線の外国人による需要増は考えにくく、国際線で業容の拡大を図っていくことが迫られます。
ANAは積極的に路線の拡大を図っていますが、JALはこのまま縮こまったままなのか、羽田枠再拡張で一気に積極路線に舵を切るのか、どうなるのでしょうか。
JALファンの私としては、もう少し積極的に動いてほしいとは思いますが。