ANA vs JAL 比べてみました 国内線と国際線の売り上げは
国内線機内サービスが変わります
パーソナルモニターとPC電源
本題に入る前に、JALが新しく導入する国内線用機材エアバス社A350-900の機内の内装が発表されました。
パーソナルモニターとPC電源、USBポートが標準装備されるようです。
(JAL A350-900普通席の機内の様子 JAL HPより)
ANAも5月29日のプレスリリースで2019年秋より国内線主力機のプレミアムクラス・普通席の全席にパーソナルモニター付の新シートを導入することを発表しています。
また、PC電源やUSBポートも装着されます。
2017年度よりパーソナルモニターを導入しているエアバスA320neo型機と併せて2022年度上期までに41機が国内線モニター付となるようです。
ちょっと前まで、Wifiが無料になったと大騒ぎをしていましたが、隔世の感が有ります。
LCCとの競合のせいなのでしょうか。
ただ、海外の航空会社の有り方とは逆な動きのような気がしなくも無いですが。
(ANAの普通席新シート ANA HPより)
ANAとJALの売上のセグメント比較
国内線比較
さて、今日の本題です。
ANAとJALのセグメントを比較してみます。
国内線についてはANAが6,966億円の売上に対してJALは5,281億円。
旅客数についてはANAが44百万人に対してJALは35百万人です。
座席キロ、旅客キロとは何でしょうか。
例えば、100人を100㎞と50人を150㎞飛行機で運んだとします。
この飛行機の旅客キロは100人×100㎞+50人×150㎞=17,500人キロとなります。この時の旅客数は150人です。
座席キロは提供座席数×飛行距離です。
従って、座席キロに対してどれだけの旅客キロがあったかで利用率がはじけます。
ANAの利用率が69.6%に対してJALが72.5%です。
JALの方が効率が良いことがわかります。
国際線比較
国際線の売上がANAは6,515億円でJALは5,307億円です。
売上の国際線と国内線の比較ではANAもJALもほぼ同額です。
運んだ旅客数は、国際線は国内線の4分の1程度ですが、旅客キロは圧倒的に国際線のほうが上です。
不採算路線を大幅に削減したJALの利用率は81.3%と高い利用率を誇ります。
貨物とLCC
貨物については ANAは専用機を持っているだけ有って、JALの2倍程度の規模となっています。
それでも売上高は旅客収入と比べて1桁小さい規模であることがわかります。
LCCについては100%子会社化したピーチが売上936億円です。
さすがにLCC、利用率は86.2%です。
今後は
冒頭の国内線機材のパーソナルモニターの設置とPC電源の設置はLCCとの差別化ですが、サービスを上げても国内線の旅客が右肩上がりに増えていくことはなさそうです。
インバウンドの外国人が日本国内の移動手段で飛行機を利用する割合は3%程度。
殆どの移動は、鉄道か観光バスだそうです。
ですから国内線の外国人による需要増は考えにくく、国際線で業容の拡大を図っていくことが迫られます。
ANAは積極的に路線の拡大を図っていますが、JALはこのまま縮こまったままなのか、羽田枠再拡張で一気に積極路線に舵を切るのか、どうなるのでしょうか。
JALファンの私としては、もう少し積極的に動いてほしいとは思いますが。