奈良今井町 河合家住宅と高木家住宅
河合家住宅
現役の造り酒屋
明和9(1772)年にはすでに酒造業を営んでいたことが記録されている河合家住宅です。白漆喰塗籠めの2階部分の丸窓が特徴的です。今井町の中では早くから2階建てになった建物だそうです。北東に連なる納屋が杜氏の宿泊所、休憩所、風呂、トイレに供した建物でした。
古くより「上品寺屋(じょうぼんじや)」の屋号で酒を造ってきた河合酒造です。軒先の杉玉が現役の酒蔵を象徴しています。今井町に現存する唯一の酒蔵だそうです。
1階のみ中に入れます。
国指定の重要文化財になっています。
代表作は
造っているお酒の代表作は、出世男、うねび、といった銘柄です。
大吟醸出世男は山田錦を35%まで磨き上げて造ったお酒だそうです。
昔使われた酒造りの道具も展示してあります。
高木家住宅
上皇陛下が休憩された住宅
こちらも18世紀後半に建てられた2階建ての旧家で、河合家と同様造り酒屋を営んでいたそうです。本家四条屋の分家で屋号を「大東の四条屋」と呼ばれていました。
本家の酒造業を助け、その後は醤油屋も営んでいたそうです。
高木家住宅も国指定の重要文化財となっております。
現在は酒蔵は廃業しており、昔のたたずまいを内部まで公開しています。
今の上皇陛下が天皇陛下の時代に今井町を訪問したことがあり、その時の休憩場所がここ高木家住宅だったそうです。
そしてここが天皇陛下が休憩された書院造りの座敷です。
座敷の中に上がって入ることもできます。
江戸時代に使用された火縄銃
江戸時代の商家の大福帳や火縄銃など珍しいものも展示されています。
こちらが火縄銃です。
そして大福帳や江戸時代の生活用品など。
今井町を歩いてみて
前回紹介した旧米谷家住宅や今回紹介した河合家住宅、高木家住宅の他にも数多くの江戸時代の街並みが保存されています。
観光客もそれほど多くは無く、ゆったり回ることが出来ます。
私は今回初めて今井町を訪れましたが、大阪からわずか1時間でこんなに素敵な街並みがあることを全く知りませんでした。歩いて回るのにもちょうど程よい広さです。
3時間もあれば街をゆっくり見て回れます。
これから爽やかな季節になりますので、関西にお住まいの方であれば是非足を延ばしてみてはいかがでしょうか。