富田林寺内町 江戸時代の旧家を尋ねて
旧田中家住宅
明治時代の資産家の旧家
旧田中家住宅の主であった田中さんは幕末、明治には財産家に数えられる名家であったと明治44年の「大阪府河内和泉財産家一覧」に記載されているようです。
こちらは寺内町の北西に位置します。
母屋を含む主要な部分は明治25年に建てられており、向かって右手型を土間として左側を4間取りの居室を配した明治期の農家型住宅の典型だそうです。
平成16年に市に寄贈され、平成24年から一般公開されています。
開館時間は午前10時から午後5時まで。
月曜日は休館日です。
無料で公開されています。
内部はこんな感じです。
4間取りの居室となっているのが良くわかります。
庭と、庭から見た母屋です。
五六七稲荷大明神
旧田中家住宅に隣接したところに五六七稲荷大明神がありました。
「いむな」と読むそうです。
名前のいわれもいつ建てられたかもわかりませんが、今でも地元の方からは大事に祀られているようです。
近くにはお地蔵さんも建っています。
旧杉山家住宅
富田林寺内町観光のメインスポット
富田林寺内町の観光のメインは日本の道百選に選ばれた城之門筋とここ旧杉山家住宅。
開館時間は午前10時から午後5時まで。月曜日と年末年始が休館日になります。
入場料は400円です。
写真の左側の建物が旧杉山家住宅の正面になります。
杉山家は寺内町創立以来の旧家で、「杉山長左衛門」を名乗って江戸時代を通じて町の経営に携わってきたそうです。貞享2年(1685)に酒造株を取得した後に造り酒屋として成功して発展を遂げました。
現存する母屋の建築年代は、土間部分が17世紀ごろで、その後座敷や2階を増築し、延享4年(1747)頃ほぼ現状の姿に整ったと考えられています。
最盛期にはこの屋敷で働いていた使用人だけでも70人いたという記録も残っているそうです。
コウシノマと呼ばれている部屋。
こちらは仏間。
店奥です。
襖絵が素敵です。
大床ノ間(オオトコノマ)です。
壁画は文化・文政の頃狩野散人杏山により描かれました。(パンフレットの説明)
部屋から庭を望みます。
土間の釜屋。
ここで煮炊きをしていました。
2階に上がる螺旋階段です。
2階には当時使われた器具などの展示品が並んでいます。
歌人石上露子の生家
明治時代末期に与謝野晶子と並び活躍した明星派の歌人石上露子(いそのかみつゆこ)の生まれ育った生家でした。
展示品には石上露子のゆかりの品も数多く展示されていました。
庭に出てみると和式の庭園があります。
富田林寺内町の古い町屋は、農家型の平面構成です。
旧杉山家住宅はこうした民家の中でも最も古い遺構で、規模も大きく質の良い商家の住宅であったことから、昭和58年に国の重要文化財に指定されました。