ANA vs JAL 比べてみました 海外就航地
何処に飛んでいるか比べてみました
JALの倒産の果てに
2010年にJALの会社更生法適用申請がなされてから、所謂8.10ペーパーにより2016年まで経営が監視されることになりました。
その結果、2014年の羽田発着便増枠に対して、ANAが11枠、JALが5枠と傾斜配分されました。
また、2016年のアメリカ向けの6枠の増枠に対してはANAが4枠、JALが2枠
となり、羽田発着便の数はANAが圧倒的に優位となってしまいました。
JALも深夜枠を利用して(無理やり)ロンドン便とマニラ便を開設しましたが、昼間便のほうがやはり便利です。
搭乗率はどうなのでしょうか。
今回は、2019年6月現在のANAとJAL国際線の就航地を比べてみました。
(コードシェア便は除きます)
アメリカ
ロサンゼルスはANAが大型機材で1日3本飛ばしています。
内1本は羽田便です。
JALは成田から1便と関空から1便。
ANAが優勢です。
サンフランシスコはJALが羽田便、ANAは成田からです。
ANAのみが就航しているのはサンノゼ、ワシントンDC、ヒューストン、メキシコシティ。
ヒューストンは共同事業相手のユナイテッド航空のハブ空港です。
一方JALのみが就航しているのはダラス、ボストン、サンディエゴ、コナです。
ダラスは共同事業相手のアメリカン航空のハブ空港になっています。
ホノルルは成田から4便の他関空、中部からも1本ずつ飛ばしているJALの牙城でしたが、ANAもA380を飛ばして対抗するようになりました。
ハワイからは目が離せません。
ニューヨークJFケネディは互角の勝負ということでしょうか。
ヨーロッパ
ANAが加入するスターアライアンスの盟主ルフトハンザ航空の本拠地はドイツ。
ANAはフランクフルト、ミュンヘン、デュッセルドルフに合計1日4便飛ばしています。
ドイツから先もルフトハンザ航空を使えばヨーロッパ各地に飛ぶことが出来ます。
その他にもブリュッセルとウィーンに飛ばしています。
JALはワンワールドでの乗継としてヘルシンキとロンドンに飛ばしていますが、ANAと比較すると貧弱さは否めません。
ヘルシンキへはフィンエアーが成田から毎日2便プラス月・土に1便、中部からは毎日1便、関西からは毎日1便プラス月・木・土に1便、福岡から水・金・日に1便が飛んでいます。すべてJALはコードシェア便で共同事業とはなっているのですが、JALは成田から1日1便のみ。
バランスが悪すぎです。
ヨーロッパへは、フィンエアーを使えということなのでしょうか。
そしてJALのみが現在飛んでいるモスクワには、ANAも就航することを表明しています。
これから競争が激しくなりそうです。
オセアニア
オセアニア、太平洋はJALがシドニー、メルボルン、グアムに就航しています。
ANAはシドニーのみですが、ここも羽田から。
機材も787-9とJALより大型機材です。
ANAはパース便の就航を表明しています。
アジア
アジアではANAがカンボジアのプノンペンとミャンマーのヤンゴンに独自で便を飛ばしています。
クアラルンプールやジャカルタは、昔はJALの独占でしたが、今ではANAの方が便数が多く、クアラルンプール、ジャカルタは羽田からの便もあります。
香港に至ってはANAが1日6便に対し、JALは2便。
ヨーロッパのヘルシンキの所でもフィンエアーにまかせっきりとお話しましたが、中国は中国東方航空や中国南方航空に任せっきり。香港はキャセイパシフィック航空に任せっきりです。
香港では、JALは成田から1便、羽田から1便の2便のみですが、ワンワールドに所属するキャセイパシフィック航空とのコードシェア便では、成田から6便、羽田から2便、中部から3便、関西から6便、札幌から1便プラス月・火・土に1便を飛ばしています。
経営的な判断とかインバウンド重視とか、理由はわからなくは無いですが、あまりにもバランスが悪く、日本~香港間はキャセイにお任せ過ぎではないでしょうか。
まとめ
倒産を経験し、不採算路線を廃止して小さくまとまったJAL。
JALが再拡大する前に、積極投資でJALに差をつけようとするANA。
キャッシュリッチで借り入れの余力も充分あるJALですので、これ以上ANAに離されないよう頑張ってほしいものです。
2020年の羽田便枠の拡大に伴って、自社便の拡大を期待します。